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飯舘村田舎暮らし日記

2010年08月06日 (金)


天候

温度等はこちら

今日の写真

8時40分 バルコニーからの南側 8時40分 バルコニーからの南側
ピンクのムクゲ ピンクのムクゲ

加工・販売

粉挽き

製粉機メーカーの人が結果報告に来た

到着直前に、これから行くとの連絡で、報告書を持ってきた。(・・居なかったらどうするつもりだったのだろうか)

渡した2種類のサンプルは、製粉したときの温度が異なるもので、その温度により製パン特性に変化があるか調査してもらったものであった。

以前から、この製粉機で製粉した粉の温度が高い事に疑問を持っていたのだった。

特に、連続で多量に製粉すると(仕様上連続運転は可能)、粉は手を突っ込むことを躊躇するぐらいの温度になる。

問題なのは、この様に温度が上がった米粉で食パンなどを作ると、我が家の製造方法(下記注)では膨らまない現象である。

メーカーの結論は、以前と同様、温度で粉の質は変わらない、両方のサンプルの粉で製作したパンのふくらみも見た目同一という事だった。私の目からは少し異なって、温度が高いほうのパンはケービング(側面のひこみ)が出来ているように見えたのだが。

この結論は、ある条件下での結果に過ぎないと思うのだが(2サンプルとも良くない状態のため、同一ということも考えられる)、これにより、問題ないものに何かこちらが一方的に問題視し、イチャモンをつけたのだと言うような態度と言動で、大変不愉快であった。

米粉と製パン特性については、奥が深く、研究者の中でも諸説があり、それについて真摯に情報収集や調査、研究を行い、今後の製品の改良、開発につなげようという態度では無いように感じられた。

注:米粉パン製造の一般的な方法と思っているし、後日、農業短大の先生方にチェックしてもらった時も、概ねこの方法で良いとのお墨付きもいただいている。

この製粉機について

オペレータとしてこの製粉機には製粉機そのものの出来や操作方法について数々の所見があるが、今回は遠慮しておく。

・・・後日(9月中旬)にこのメーカーのホームページを見たら、この製粉機の載っていたページが無く、新しく改良型と思しき製品が出ていて、以前には「熱による劣化がなく、素材の風味・色合いをそのまま微粉砕します。」との記載が、「素材の風味・色合いをそのまま微粉砕します。」に換わっていた。どうなっているのかなーーーー。

製粉粒度とパンの関係(この話は2割前後のグルテンを添加したパンについてである)

この作業に携わる前までは、米粉パンの製造には細かい米粉が必要で、細かければ細かいほど良いパンが出来るという思い込みがあった。これは、私だけではなく、以前米粉パンなどを試作していた人たちと話したときも、同じようなことを述べていた。自分たちの米粉パンがうまく膨らまないのは、粒度が荒いためで、行政で細かい粉をひく製粉所を作って欲しいということをしばしば聞いた。

しかし、最近の研究や実践では、ある一定以上の粒度の米粉は食パンなどのパン製造用の粉としては不適切である。その原因は、細かい粉を作る過程で、細かいほど澱粉損傷が多く、そのため、膨らむパンは出来にくいということであった。澱粉損傷率とパンの膨らみ方には逆の相関関係があるといわれている。

ただ、まだ追試などが行われて 確かめられたわけではないようだが、澱粉損傷の程度はパンのふくらみには影響が無く、粒度とかかわっている別の要素が大きく関係しているという研究がこの福島県であった。

これが正しいとなると、このような高価な製粉機を設置する必要が無く、安価なもので良くなるので、米粉パンの普及に大きく貢献する研究ではないか。

いまのところ、どちらが正しいかはっきりと判っている事ではなく、更なる今後の研究や実践を待たないといけないようだ。

米という古代からある食材なのに、米粉とパンの関係(100%米粉パンの研究を含めて)やパンに向く米の品種という応用分野は最先端の研究のようで、門外漢の自分にっては、かなり研究やら実践が進んでいると思っていたので、大変意外であった。


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